解明したい疑惑–奇異な犯罪を引き起こしているものは何か?–日本選択理論心理学会Newsletter47号より

 福島母親殺害事件は、母親の頭部と腕を切断、そしてその頭部をカバンに入れて警察に出頭という、極めて異常な行動を高校生がとったことで社会を戦慄させた。この種の異常な事件が起こる度に報道記事に注意していると、精神科への通院歴があることが小さく記されている。母親を殺害したこの高校生が、もし精神科で薬物を処方されていなかったら、この事件は起きていなかったかもしれない。そう考えるのは私だけなのだろうか。精神科にかかりながら、この種の事件が起こるということは、精神科の治療の無力さを示唆している。もちろん気力を奪い取るほどの強力な薬物を投与していれば、事件は起きなかったかもしれないが、通院患者にそのような薬物治療が許されるはずはない。精神科では許される範囲内での薬物が処方されたはずである。そして、その薬物の副作用は使用過程で徐々に知られていく。パキシル(抗うつ剤)の使用については、18歳未満に処方されることが一時禁止されたことがあった。若者に処方すると、自殺念慮が惹起されるという副作用が知られるようになったからだ。しかし、医学界の反対で18歳未満の若者にパキシルは今なお処方され続けている。同じSSRI系のプロザックは米国で処方されており、自殺や殺人事件が多発して、裁判で争われている。

デパス(抗不安薬)の副作用には、興奮、錯乱がリストされている。パキシル(抗うつ剤)には興奮、錯乱、幻覚、せん妄、感情鈍麻、リスパダール(統合失調治療薬)には不安・焦燥、興奮、抑うつ、妄想、幻覚、自殺企図、リタリン(中枢神経興奮剤)には易怒・攻撃的、幻覚、妄想などが列挙されている。1998年、抗うつ剤の売り上げが173億円であったのに、2004年には708億円に伸びている。2000年、統合失調症治療薬の売り上げは372億円であったが、2004年には669億円になっている。抗不安薬・睡眠導入剤の年間売上高は、2004834億円である。

  まだ記憶に生々しい事件は、大阪池田小学校23人殺傷事件である。この事件では8人の小学生が死亡している。犯人はパキシルなどを処方されていた。また、宇治小6年女児刺殺事件の犯人は、学習塾講師で、200310月から抗うつ剤デプロメールを処方されており、2005年には妄想や幻覚が現れるようになっていた。本来なら投与を中止されるべきであったのに、121日には薬が1日2回に増量され、事件は8日後に起こっている。さらに記憶に新しい事件では、秋田県藤里町で主婦が自分の娘を川に投げ落とし、目と鼻の先の近所の男児を殺害した。診療内科で睡眠薬等を処方されていた。奇異な事件のほとんどすべてに向精神薬がからんでいるのは、単なる偶然なのだろうか。

柿谷正期(日本選択理論心理学会会長)

自閉症治療に関する良い本が2冊出版されました。

『デトックスで治す自閉症』ゲーリー・ゴードン & エーミー・ヤスコ著(青木多香子訳、北原健解説、阿部博幸監修、中央アート出版、2006) 本書は北原氏の解説から読むのがいいかもしれません。RNAによる自閉症治療を理解するのに良い書籍です。原題はThe Puzzle of Autismです。

もう1冊は、『自閉症と広汎性発達障害の生物学的治療法』 ウィリアム・ショー著(グレート・プレインズ研究所、2006)本書の注文は http://www.greatplainslaboratory.com/japanese/home.htm からしかできないと思います。Amazon.comでは扱っていないようです。 本書には自分の子どもの治療に取り組んだKaryn SeroussiさんとPamela Scottさんの体験談が寄せられています。まずはここから読まれるといいでしょう。読めば自閉症は治らない病気ではなく、治る病気であることが分かります。

サドベリー・バレー校が実証していること

先に、9歳まで字が読めなかった子が12歳で大学生になった。10歳まで字が読めなかった子が11歳で大学生になった、というお話を紹介しました。『世界一素敵な学校』-サドベリー・バレー物語-(ダニエル・グリーンバーグ著、大沼安史訳、緑風出版)で、子どもがやる気になるとどんな短期間で、ものにするかが例示されています。9歳になるまで字が読めなかった子が、読む気になったら完璧に読めるようになりました。9歳6カ月で何でも読めるようになっています。この学校では読み方を教えません。読めるようになりたくない?という誘いかけもしません。でもみんな読めるようになるのです。ときに12歳になっても読めない子がいるようですが、そのうち読めるようになり、早い子を追い越すこともあります。算数を学びたいと教師にお願いした子どもたちは、普通の学校なら6年間かけるところをトータル24時間で学びました。週2回、1回30分、24週かけたそうです。子どもが大学に進学したいと思うと、SAT(大学進学適正テスト)を受けることになります。その気になった子どもは、4カ月から5カ月で準備完了となるようです。強制教育がLDを作っているようです。昔この学校はNHKで紹介されたことがあります。教育関係者にはお勧めの書です。

統合失調症と甲状腺疾患

What really causes schizophrenia by Harold D. Foster(2003)を読んで、知ったことですが、統合失調症の人に、甲状腺異常が多いということです。血液検査のときに、T3,FT4, TSH, Tgなどを測ってもらうのがいいでしょうね。長崎に原爆を落とされたときに胎児だった人の統合失調症が、そうでない人よりも高率であるとのこと。チェルノブイリの原発事故の後、5倍の高率で発症しているとのこと。精神疾患と思われていたのに甲状腺疾患から来ているものだった、ということは以前から知っていたのですが、甲状腺疾患と統合失調症とをこのように結びつけた情報は初めてです。

発達障害についての考え方

The Call to Brilliance by Resa Steindel Brown(Cal: Fredric Press, 2006)は子どもの成長について考えさせてくれる書籍だ。著者は3人の子どもを育てあげた。長男Stephenは9歳まで字が読めなかったが12歳で大学生となった。2番目の長女Erinは13歳で大学生となり、18歳でUCLAを卒業し、大学院で数学を専攻した。3番目のMatthewは10歳まで字が読めなくて、11歳で大学生となった。子どもの成長はみな違うと著者は言う。長男は通常の学校生活ではLD,AD/HDと言われる子どもであった。3人ともHomeschoolingで救われた子どもたちである。Matthewが初めて自分で満足の行く手紙を書いたときに、母親は誤字脱字等を直そうとしたが、それを抑えて、よく書けていると言い、それに励まされて子どもは次から次に手紙を書くようになった、と記されている。教育者に必要なのは批判ではなく、励ましであるようだ。

ティーンにとっての生きる意味

3月18日にAssist News ServiceのMichael Irelandが書いたものによると、日本のティーンについて驚くべきことがある。これまでのギャラップ調査では、アメリカ人のティーンの22バーセントが自分の存在意義が分からないと答えていた。これに比べ日本人のティーンの場合、今回85パーセントが自分の存在意義が分からないと答えている。同様に、アメリカのティーンの76パーセントが自分が地球に存在する理由を知っていると答えているのに対して、日本のティーンは13パーセントのみがそうだと答えている。生まれなければよかったと答えている日本のティーンは11パーセントもある。アメリカのティーンはわずかに3パーセントである。何のために生きるかよりも、何のために生かされているかに答えるほうが賢明である。

チメロサール抜きのワクチンで自閉症減少報告(米国)

米国では1999年に予防接種のワクチンにチメロサールを防腐剤として使用することを禁止しました。それでもインフルエンザのワクチンにはまだ含まれていましたので、全面的な禁止は2003年になってからですが、最近のニュースでは新たに自閉症と診断される数が減少しているとの報告がなされています。米国では1988年から1992年の間に、ワクチンの回数を増やすことで、結果的に幼児の体に倍以上のチメロサールを入れたことになりました。その結果かどうか議論が分かれるところですが、2500人に1人とされていた自閉症患者が166人に1人とまでなりました。Mark Geier博士は、2002年の半ばから2005年にかけて顕著な減少が見られると指摘しています。。(Daily NewsのスタッフJon Brodkinの記述からの要約)
日本ではチメロサールを使っていないメーカーが今のところ2社あるようですが、政府の対応を待たずに、業界から自主的にチメロサールを使わないメーカーが増えて欲しいものです。

自閉症を巡る学者の良心 1

 自閉性障害(以下自閉症という)の増加はカリフォルニア州だけで、1970年に10,000人に4人だったのが、1997年には10,000人に対して31人と増加している。障害に関する診断知識が広まったために増加したという説明ではとうてい納得が行かない。日本での正確な数字は厚生労働省も把握していないが、増加の一途を辿っていることは否めない。
何年か前に、地球の二酸化炭素の排出量の増大を懸念する声が上げられたときに、それを一笑に付して、そんなことがあるはずがないと言った学者がいた。彼は、今どこでどのようなことを考えているのであろうか。歴史を見ると環境汚染に関しては、常に当初は根拠なしということが学者から指摘されている。水俣病しかり、非加熱製剤の安全性を巡っての論争しかりである。

岡山研修を終えて

7月30日~31日、岡山で日本カウンセリング学会の研修を担当した。私の担当講座は、いつもは選択理論、現実療法、クォリティ・スクール、等々であるが、今回は「発達障害への知られざるアプローチ」と題したものだった。合計7時間であったが、後半のDVDは全部を観ることはできなかった。自閉症、AD/HD、学習障害の問題に対して以下のような諸点をご紹介した。GFCFダイエット、自閉症とチメロサールとキレーション、カンジタを含む腸内細菌、腸管浸漏症候群、軽度三角頭蓋、化学物質過敏症、食べ物アレルギー、脳アレルギー等々である。IQ57のマーシャが学校の汚染された空気や他の問題が判明して、それらを除去することでIQ127となったことは衝撃であった。発達障害と思われている子どもがこの種の問題を抱えている可能性があるということを専門家は認識する必要がある。また、統合失調症と診断され6つ目の入院先で、化学物質過敏症であることが判明して、普通の生活ができるようになったことも、衝撃であった。こうしたことをまとめて欲しいとの声があるので、そうしなければならないかもしれない。学際的なアプローチが必要とされている領域である。

グラッサ一・クォリティ・スクール視察の旅

4月29日から5月7日まで、米国のグラッサ一・クォリティ・スクールを視察してきました。総勢39人の旅でした。選択理論を実践している人々との旅は、いろいろなハプニングがあっても、対処の仕方が創造的ですね。フロリダ州で3校、ミシガン州で1校を訪問できました。選択理論をベースにしていることには変わりはないのですが、それぞれの学校ではユニークな取り組みをしています。Brain Smart Learning Exerciseを取り入れているところや、Integrated Visual Learningを取り入れているところがありました。昨日5月21日、NHK教育で、軽度発達障害に関する番組が再放送されていました。視覚的取り組みがあるともっとすばらしい取り組みになりそうだと思いました。また、軽度発達障害のお子さんの小さいときの写真が短時間ですが、写されていました。ふと、軽度三角頭蓋のように見えたのは、私だけだったでしょうか。多角的なアプローチが必要な領域ですね。GFCFダイエット、リーキーガットの問題、腸内細菌の問題、水銀の問題、軽度三角頭蓋の問題、視覚的発達の問題等々が関連する領域として考えられます。研究が進むともっと関連領域が広がるかもしれません。学際的研究が求められています。

広汎性発達障害

自閉症やAD/HDの問題に取り組んでいる研究所が主催するセミナーに出席してきました。親御さんたちの取り組みには頭が下がる思いです。診断されて治らないと言われた親御さんが多いようですが、諦めず、アンテナをはって、ネットワークを構築して、情報交換をして、見事な取り組みをされています。今から10年前には分からなかったようなことが今は分かってきています。私は自閉症は早期発見、早期治療で、完治すると考えるようになっています。何千人もの子どもたちが、熱心かつ賢明な親の取り組みによって、完治というレベルに達しています。一人でもそのような子どもがいるということは、もう一人の子どももそのようになれるということでしょう。親御さんに言いたい。諦めない取り組みをなさることです。障害は個性と考えることはできます。しかし、治せるものは治したいですね。それでも治らないなら、それを個性として受け止めることが必要だと思います。障害を持っている人にとっては、その障害を抱えたまま自分の人生を生き抜くこと、それがその人にしかできないその人の仕事なのだと思います。人の誕生は遺伝子的に考えると、1億円の宝くじに連続して100万回あたるようなものだと言われます。偶然生まれたのでもなく、間違って生まれたのでもないのです。そんなことを考えた一日でした。明日は日曜日です。

自閉症

立正大学心理臨床センターは第5回カウンセリングセミナーを開催します。2月11日(金、祝日)。柿谷正期の担当するセミナーの演題は「自閉症は治るのか?–自閉症の謎に迫る–」です。詳細は立正大学のHPをご覧ください。セミナーは有料です。

http://www.ris.ac.jp/pg/html/2004111802.html

特に自閉症のお子さんをお持ちの親御さんのご参加を歓迎します。得るものが多いと思います。事例もご紹介しますが、明るい見通しが感じられます。RNA療法、三角頭蓋の関連等もご紹介する予定です。なお、参加を予定されていた自閉症児の父親、一ノ宮氏の参加はありませんが、守屋優子氏の参加を予定しています。三角頭蓋についてお詳しい方ですので、質疑応答はエクサイティングなものになると思います。ご参加をお待ちしております。

自閉症と三角頭蓋

自閉症と診断されている子どもに三角頭蓋という問題が関係していることがあるようです。「三角頭蓋」で検索をして情報を捜して、検証するのも対応策のひとつと思います。

何か変だという直感の大切さ(日本選択理論心理学会ニュースレター39号より

モンティ・ロバーツは子どもの頃から、父親やその他の大人がしている暴力的な調教の仕方を見て、何か変だと思った。どうして馬をここまでこわがらせ、傷つけるのだろう。もっと優しいやり方があるはずだ。そしてモンティはジョイン・アップという優しく、効果的な方法で野生の馬に人が乗れるようにした。
ニュートンはリンゴが落ちるのを見て、なぜ落ちるのだろうと考えて、やがて引力の法則にたどり着いた。
教師はどうして、生徒のひとりが問題行動をとったからと言って、連帯罰を課すのだろうか。どうして罰が教育現場でここまで頻繁に必要とされるのだろう。どうして大人は暴力を使ってでも、子どもに何かを押しつけようとするのだろう。
どうして精神疾患に対しては、本人のためと言って、無理やり治療を強要するのだろう。内科的な疾患に対してこのようなことがなされたら大きな人権侵害となるのに、なぜ精神疾患に対してはこのような強制がまかり通るのだろう。
自閉症が発症する前にはことばを話し、ごく普通の子どもであったのに、自閉症は脳に障害があると言われるのは何故だろう。1歳半までは健全に育っていた子どもが、何故ことばを失い、反復行動を繰り返すようになるのだろう。生まれつきの脳の障害であるなら、どうして1歳半頃までは正常な発達を遂げているのだろう。
精神疾患の治療を目的として薬物療法を施す人たちは、どうして繊細な脳に作用する薬物を、本人のためと称して処方するのだろう。そしてこの行為を「慈善」と本気で考えるのは何故だろう。精神病院の入院患者が体験している薬の副作用を目の当たりにしながら、どうしてこの薬が精神疾患の治療になると本気で考えているのだろう。大人を対象群として治験がなされた薬物を、どうして未発達の子どもの脳にも効果があると大胆に信じることができるのだろう。私たちはたくさんの「なぜ」がある世界に生きている。
グラッサ一博士の来日を機に、新著『警告!』が出版された。副題は直訳のまま「あなたの精神の健康を損なうおそれがありますので、精神科には注意しましょう」となった。度肝を抜くような題である。精神科医グラッサ一博士は、おかしいという直感を当初から持ち続け、その結果が今回の新著となっている。精神病という病気は果たして存在するのだろうか。この疑問を一貫して持ち続けて来た。私たちも「何かおかしい」という直感を失ってはならない。           
柿谷正期(日本選択理論心理学会会長)

『警告!-あなたの精神の健康をそこなうおそれがありますので、精神科には注意しょしょう』

この本がある人に大きな衝撃を与えたようです。その方はこのを読まなければよかったと書かれていました。ご自分が処方されている薬物、パキシル、リタリンについて、新たな情報を得られたときの、ジレンマです。でも本当のことを知らないままで過ごすのも大変ですよね。

グラッサー博士講演

「選択理論で育む満足した男女関係」(通訳あり)

  • 2004年10月28日(木)午後6時30分~
  • 立正大学大崎校舎 石橋湛山記念講堂(品川区大崎4-2-16)
  • 申し込み方法:往復はがきにて講座名「立正大学心理学部公開講座」・住所・氏名(ふりがな)・年齢・性別・連絡先電話番号を記入の上、品川区教育委員会 生涯学習課までお申し込みください。
  • 申し込み期間:平成16年9月11日(土)~10月8日(金)必着
  • 申し込み先:郵便140-8715品川区広町2-1-36 品川区教育委員会 生涯学習課 学習 推進係(電話 03-5742-6837)
  • 立正大学HP
    その他の講演会については以下を参照してください。
    http://www.achievement.co.jp/glasser/foram.html