発達障害に有効な取り組み

 「男はみんな発達障害」。出村栄子氏はそう言った。彼女は薄々そう感じていたのであるが、柿谷正期は例外で、そうでないと思っていたのだろう。ところが妻を亡くした柿谷正期と結婚して確信を強めたようだ。「男はみんな」ということに自信を持っている。
 わたしが大学で教えていた頃、ゼミ生として関わった院生を含め、何人かの臨床心理士との交流が今でも続いている。瀬田氏、馬場氏、佐藤氏らがその中にいる。瀬田氏も馬場氏もわたしも発達障害と自認する。佐藤真司氏は「テンネン」と呼ばれ愛されていたが、テンネンよりは皆と同じ「発達障害」が良いとのことで、数年前晴れて私たちの仲間入りをして「発達障害」となった。私たちは書籍も著した。『自閉症を含む軽度発達障害の子を持つ親のために』は視覚の問題、軽度三角頭蓋、GFCFダイエット、腸管浸漏症候群、抗生物質の問題、化学物質過敏症、原始反射、等々。2007年出版の当時は臨床心理学の関係者が眉をひそめた。ネットでは叩く人もいた。同じ路線で私のゼミ生・浅井夕佳里氏は『発達障害“改善”ステップ』を2016年に出版し、成果を出している。
 先月出版された『薬に頼らずこどもの多動・学習障害をなくす方法』(藤川徳美著、アチーブメント出版)は、栄養の修正をして改善した治療例を多く紹介している。藤川医師はうつ病は鉄と蛋白不足に対処することで解消し、薬の離脱ができると主張し、完治した例をたくさん挙げている。同じ医師が発達障害も同じように治療できると主張しているのだ。
 最近腸内細菌が注目されている。セロトニンがどこで造られているかについて「腸」で造られると考えるようになってきた。「脳腸相関」という言葉を使って「腸」の働きの重要性を説く人もいる。昔は血液検査でフェリチンを測ることもなかった。先日36ngあるので、貧血ではないと言われたという人がいた。基準値の設定が18.6~261ngなので、そう言われたのであろう。しかし100ngは欲しいと欧米基準値を採用している専門家もいる。基準値はどのようにして決まるのか。自覚症状のない健康な人のフェリチン値を図ってグラフにして低い数値と高い数値を外して95%の人の数値が基準となる。仮に健康と思っていても貧血気味の人を集めれば基準値は低くなる。精神疾患もそうであるが、発達障害にも栄養療法は有効である。
                柿谷正期(日本選択理論心理学会会長)
JACTP News Letter 84号

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