腸内細菌と精神の不調

 自閉症の子どもたちの腸内細菌の構成には特定のパターンがある。Brain Maker(『腸の力であなたは変わる』三笠書房、2016)の著者David Perlmutterはそのように言う。この英文の書名は、脳を創っているのは腸であることを示唆している。脳が腸に指令を出しているというよりも、腸が脳に指令を出しているという主張なのだ。腸の働きを維持するのは腸内細菌である。10% Human(Alanna Collen著『あなたの体は9割が細菌』河出書房新社、2016) は、もっとはっきりと人間は常在菌、腸内細菌などでできていて、細菌なしでは生きられない、ということを示唆している。わずか1割が人間であると主張している。2007年『自閉症を含む軽度発達障害の子を持つ親のために』(柿谷正期監修)が出た頃は、まだまだGFCF(グルテンとカゼインを除去する)ダイエットは知られていなかった。柿谷カウンセリングセンターのHPに情報を掲載したのが、2000年。今は、自閉症に共通している腸内細菌の構成には共通したパターンがあることがわかっている。自閉症だけではなく、うつ病、ADHDなども腸内細菌に影響されることが判明している。多くの自閉症児は抗生物質に触れてきた。妊娠期間に母親が抗生物質を使い、また子ども自身が中耳炎などで抗生物質を投与されたことがあり、そのため腸内細菌のバランスが崩れてしまっている。
 前田浩著『最強の野菜スープ』、藤田紘一郎著『腸内細菌を味方につける30の方法』などは、簡単な方法で体調改善ができることを示している。ウオーキングも腸内細菌を味方にするひとつの方法だ。同じものを食べても健康になる人と具合の悪くなる人がいる。この違いは腸内細菌の違いだ。森美智代さんは難病にかかり、断食、復食を繰り返すうちに、青汁以外のものを食べると下痢をする状態になった。好き好んで青汁1杯を選んでいるのではない。それ以外のものを受け付けなくなったのだ。牛は草を食べて肉を造っている。彼女の腸内細菌が牛に似ているので、肉や魚を食べなくても彼女は生き延びている。同じ難病にかかった人は亡くなっている。森美智代さんは、『食べること、やめました』を出版したときで既に13年も経過しているので、今では23年の経過だ。腸内細菌が必要なタンパク質を造ってくれているのだ。私は野菜スープを今は毎日のように食べているが、髪の毛が白から黒に変わってきている。腸内細菌、恐るべし。                 柿谷正期(日本選択理論心理学会会長)
(日本選択理論心理学会、ニュースレター80号より)

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