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心と体と食物

柿谷正期


米国人カレンさんの息子さんは1歳半のときに、自閉症と診断された。自閉症が何を意味しているかよく分からなかったが、何か重大なことに自分が巻き込まれていることを感じた。やがてこうした問題に対して素人であるカレンさんがたどり着いたのが、乳製品に含まれているカゼインと小麦等に含まれているグルテンを子どもの食べ物から排除するということだった。忍耐強い取り組みの結果、今十代になる彼女の息子さんは完治と宣言されている。詳細を知りたい方はメニューの「自閉症は治る」から『ペアレンツマガジン』誌に掲載された記事を読むことができる。


カゼインとグルテンを分解する酵素が不足している子どもの体では、これがアヘンやモルヒネのような麻薬様物質に変化する。そして自閉症と思われる症状が出てくる。これについての研究は欧米でかなり進んでいるが、日本ではあまり知られていない。


日本産業カウンセラー協会の機関誌に、小麦のグルテンを除去することで、学齢期の子どもの皮膚障害が改善しただけではなく、予期しないことに教室内での多動も改善したと報告されていた(沖縄部会の武田富美子氏)。食物が脳に与える影響は多大である。


ペラグラにかかると以前は統合失調症(旧精神分裂病)と変わらない症状が出ていたので、ペラグラ患者が精神病院に入院していたことがあった。やがてペラグラはナイアシンの投与で治ることが判明し、精神病院に間違ってペラグラ患者が入院しているケースは少なくなった。カナダの精神科医ホッファー博士は、少量のナイアシンで治るのがペラグラで、大量のナイアシンで治るのが統合失調症だと主張している。


うつ病と診断されていた人が実は、梅毒に罹患していたということもある。『狂気と正気のさじ加減』の著者ウォーカー博士は精神科医であるが、自分のところに紹介されてきた人の多くは精神科のケースではなく、内科的疾患が見つかったと言っている。


内科的な疾患が見つかったからと言って、すぐに食物や栄養素にその原因を見る医療関係者は少ないと思う。そのような中でもロンズデール博士は、乳児の突然死はビタミンB1で予防、治療ができることを主張している。脳のコンピューターが破損するところから突然死が起こるので、脳のコンピューターを保護するのにビタミンB1は必須であると主張している。しかし彼の意見を取り入れようとする医師は少なく、彼は伝統的な医学を見限った。彼は『なぜ私は伝統医学を見限ったか』という題名の本を著している。


頭は体の一部であることを忘れてしまうと、頭の問題は体と切り離されて考えられてしまう。心の問題は体の問題と切り離して考えるべきではない。体の健康が栄養素の過不足で起こるとするなら、心の問題も栄養素の過不足で起こると考えるのが自然である。過不足と言っても多くの場合は、不足が生じるのが問題である。しかし、ある栄養素をたくさん摂取すると他の栄養素が不足するという状態が起こるので、過不足と言っても差し支えないだろう。


私はカウンセリングセンターを開業しているが、統合失調症と診断されたという相談を受けても、そんなにあわてない。早ければ早いほど、良くなることを確信しているからである。しかし、投薬を受けて長年薬を使っている人は、それだけ時間がかかることになる。


カナダの精神科医ホッファー博士は、カナダ統合失調症財団の理事長として精力的に関わっているが、そこから出ているビデオ、『狂気の仮面』(Masks of Madness: Science of Healing)は、分子栄養学的な治療によって、精神障害者がどれほど社会でノーマライズされているかが例証されている。ホッファー博士が治癒という表現を使うときには、社会に出て、仕事をしてお給料をもらい、税金を払っている状態を意味している。


ホッファー博士によると、統合失調症は次のように説明される。アドレナリンが酸化してアドレノクロムに変化すると、これが知覚異常を発症させる物質になる。アドレナリンをアドレノクロムに変わらないようにするには、ナイアシンを至適量補給する必要がある。通常一日3グラムからスタートする。統合失調症の治療では、この他にビタミンCを同様に一日3グラム摂取する。この他、ビタミンB6、亜鉛、セレニュームの摂取も統合失調症の治療では有効とされている。


ホッファー博士がオズモンド博士と共同開発したHODテストを使って、栄養素の摂取前と後の指数の変化をご紹介しよう。


事例Aさん(専門学校生、女性、20歳)


Aさんが普通でないことに気づいたスクールカウンセラーが声をかけて来室してもらった。そのときのHODテストの結果は6月と9月で次の通りであった。


6/10 9/2
総指数(TS) 79 14
知覚指数(PerS) 19 3
妄想指数(PS) 3 0
抑うつ指数(DS) 13 5
比較指数(RS) 5.8 2.8
ショートフォーム(SFS) 6 2


細かい数字の意味は別としても、総指数79は随分調子が悪いことを示している。30以上は通常異常と見る。注目すべき指数はもう一つ、知覚指数である。普通この年齢では9以下のところ19となっている。早速カウンセラーは親に来室してもらい、ホッファー博士の本を読んでもらって納得するようだったら、ナイアシンの入手方法を教えることができる、と説明した。親も本人も取り組みたいということで、さっそくナイアシン(ビタミンB3)3g/日、ビタミンCを3g/日、それに亜鉛を15mg/日摂取することになった。夏休みが明けて9月にAさん来室。再度HODテストを受けてもらったら、上記のように改善していた。Aさんの改善が劇的であったのは、ひとつには投薬を受けていなかったことがあったのかもしれない。薬の減らし方については、ピーター・ブレギン博士は、7日〜10日かけて一剤について10%減らすことを提唱している。決して急激に減らすことをしてはならないし、医師の指導の下に行うことである。もし4剤服用している人なら、止める順番があるので確認することである。まず1剤について10mg飲んでいる人なら、9mgを7日〜10日飲み続ける。10日が終わると次は8mgにして、また次の10日間飲み続ける。他の3剤については今まで通りの飲み方となる。1剤が終わったら2剤目に入る。このような止め方が一番安全なやり方であると、ブレギン博士は言う。しかしくれぐれも医師の管理の下で行うことである。


私が精神のビタミンと呼ぶものは、ビタミンB群、なかでもB1、B3、B6、B12、ビタミンC、などである。心の問題を解決するためには、ジャンクフ−ズを止めること、砂糖の摂取を控えること、食物アレルギーがあるかないかを調べることである。そして、精神疾患のある人は、普段の食生活を改善すると共に、栄養素の補給を考えることである。
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(本稿は『日常茶飯事』2003年1月号に掲載されたものです。)


かきたにまさき 
立正大学心理学部教授。日本選択理論心理学会会長、日本カウンセリング学会認定カウンセラー、臨床心理士、精神保健福祉士。著訳書『幸せな夫婦になるために』(いのちのことば社)他多数。


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