柿谷カウンセリングセンターはリアリティセラピー(現実療法)を主とし全人的アプローチを目指していす

謝罪を期待しない

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心と体の健康

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「心と体の健康」 -謝罪を期待しない-(2001年6月13日)---第49号

このメールマガジンは、不定期に発行されます。

「田口ランディの写真見たけど、ブスなただのオバさん」

こう言われたランディさん、抗議のメールを書いたらこんなメールが来たと のこと。

「申し訳ありませんでした。、、、言いわけになるかもしれないけど、メールを いただいてやっと、あなたを傷つけたことに気がつきました」

そしてランディさんは、「あなたを傷つけた」というフレーズが好きでないと書 いています。

私はこの文章を読んで、謝ることが難しいのはなぜなのだろう、と考えました。 抗議したのは傷ついたからではなかったのです。でも、「傷つけて申し わけなかった」という表現は確かに単純な謝罪ではなく、何か別のことをい いたいという感じがします。

私たちがすることは、そのとき、その状況で、自分の知識、技術を総動員して、 ベストと思われることなのです。それをやった直後に「しまった」と思ったとし ても、それはベストと思われた行動だったのです。ベストと思われた行動に対 して謝罪することになるので、人から言われて初めて気がつくことは、なんと もすんなりと謝罪しにくいということになるのでしょう。自分が自己評価をして、 「まずかった」と思ったことなら謝罪も困難ではないのですが、人からの指摘 でなされる謝罪は困難に感じます。

では、謝罪についてどうするか? まず人からの謝罪を期待しないことです。子 どもが大きくなってから、親に昔のことの謝罪を求めることがあるようですが、 そのような謝罪を期待しないことです。そのときその人がしたことは、その状況 で、その人の持っている情報、知識、技術を総動員して、最善と思うことをした、 と理解することです。

私たちの行動には目的があるのですから、何かをするということは、自分の 基本的欲求を見たそうとの試みだと思います。違いは満たし方が健全か、不 健全かの違いです。不健全な満たし方なら、傷つく人も出てくるでしょう。不健 全であっても、その人にはそれしか出来なかったと考えれば、相手に謝罪を 求めることをしてもあまり意味がないということになります。

相手からの謝罪を期待しないでも、批判をしない意見の述べ方をしていると、 思いがけない謝罪が返ってくることもあります。

「ごめんなさい」を言える自己評価の能力を身につけることと、相手に謝罪を 求めないことを実践すれば、人間関係は少しスムースになるのかもしれません。