柿谷カウンセリングセンターはリアリティセラピー(現実療法)を主とし全人的アプローチを目指していす

子育てについて(その3)

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心と体の健康

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「心と体の健康」 -子育てについて(その3)-(2000年9月16日)---第40号

このメールマガジンは、不定期に発行されます。

あるカップルに4歳女児がいます。この子が人をすぐにたたいたり、けったりするとい うのです。周りの子どもたちはこの子をとても恐れています。早くして、外的コントロー ルによる快感を味わってしまったのでしょう。この子にとっては、人をたたいたり、けっ たりすることは、力の欲求を満たす方法なのでしょう。親が叱っても効き目がありませ ん。親の前ではしないのですが、相手が大人であっても、すぐに人をたたいてしまいま す。ある人に対してはしないのですが、別の人に対してはするという事実から、この子 がたたくことを選択していると考えられます。

いろいろ聞いてみると、この子は台所には独りで入っていけないことになっているとい うのです。でも、自分の家の台所ですから、迷い込むこともあります。入って良いときと、 良くないときの区別がつきません。父親が「出なさい」と言って、数を1、2、3、、、と数え 始めると、部屋から飛び出さないと、お尻をたたかれることになっています。台所から庭 に出入りることもあります。このような状況では、入って良いとき、悪いときは、大人にと っても分かりにくいのです。

この子の問題の解決方法は、まず、台所に置いてある父親のCDその他のコンポ類を どこか高い所に移動して、子どもが自由に行動できるようにすることです。家の中で入 っていけない部屋があっては、くつろげませんし、自由の欲求が満たされません。台所 には自由に出入りできるようにすることです。お尻をたたかれる状況では力の欲求も満 たされません。基本的欲求(愛・所属、力、自由、楽しみ)が十分に満たされるような状況 作りをすることです。子育ては厳しくあれば良いというものではありません。厳しくしてい るのに、子どもに問題がある場合、その厳しさに問題があるかもしれないと考えてみる ことです。しつけと虐待の線引きはとても難しいです。虐待の事実を指摘された親でも、 自分はしつけをしていたとたいてい主張します。