柿谷カウンセリングセンターはリアリティセラピー(現実療法)を主とし全人的アプローチを目指していす

批判はいいことですか?(その5)

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心と体の健康

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批判はいいことですか?(その5)(2000年2月23日)-----第17号

このメールマガジンは、不定期に発行されます。

批判についてご意見を下さった方々が共通していることは、自己主張のみの非難、中傷の ようなものは良くないと言われることです。謙虚に耳を傾ける度量を持っている場合は、批判 は必要だというような感じでした。その線引きをどこでするのでしょう。私は非難、中傷でなく、 実に建設的な批判だと思って、家族に対して批判しているのですが、家族は私と同じよう考え るでしょうか? ほとんどの場合、こちらの意図と違って相手は破壊的と捕えてしまのです。

人から批判されて自分は成長したと言える人は何人いるでしょうか?私は家族から批判されて、 成長したと言えることは一度もありません。妻も私の批判で成長したと言えることは一度もない はずです。あると言える人はごく少数で、ひょっとしたら博物館行きかもしれません。

精神科医、グラッサー博士は、あるときある人が自分の自己評価のために皆さんの批判を受 けたいというようなことを書かれたものを読んで、大変勇気のあることだが、私ならそのようなこ とをしない、と書かれていました。自分は精神力も強い方だが、ときに批判が心にぐさりと来るこ とがある。自分の講演に対してのコメントを自分はことさら読まない。読まなくても話しているとき の聴衆の反応である程度分かる。

批判しないでも、自己評価を促すことができれば、目的は達成できます。ここで「自己評価」を他 人からの評価ではなく、自分で評価することと定義しておきましょう。日本ではかなりこの言葉は 混乱しています。Self-evaluationであって、self-esteemではありません。自己像やセルフイメー ジのことではありません。

「君は高校に行きたいの?」
「どの高校に行きたいの?」
「今の勉強の仕方でその高校に入れそう?」

最後の質問は自己評価を促す質問です。親が入れないぞ、と決めてかかっているわけではあり ません。子供に自己評価を促しているのです。子供がしっかり自己評価をしなければ、変化はあ りません。大人でも同じです。自己評価の機会を与える方が「批判」よりも有効です。自己評価の 能力をしっかり身につけた子供に育てば、親は何の心配もいらないでしょう。